怖かった話 後編
2012/06/29 (Fri)
怖い話はサッサと終わらせちゃいましょう。そんなの全然怖くないってな人も居るでしょうけど・・。前編からの続きです。
森林公園から20分ぐ、後ろからいきなり追突、救急車、救急病院、ここら辺、細かいこと言わない。話ごちゃごちゃしちゃうから。
ああ、救急車が現場に来て、「オカマ掘られたんですね?」と筆者(fanta)に救急隊員が訊くから、「後ろから追突されました」って言いなおしましたよ。
ゲイのfantaが「はい、オカマ掘られました」ってシャレにならんわ。
まあ、とにかく、救急医療施設がある病院。後ろから真っ直ぐに追突だから、首、背中、頸椎。
実はfantaは、だいぶ前に頸椎の手術をして、首に人工の骨が5本入ってる。それに異常が起きたら大変なんでね、それを救急隊員に伝えて病院着いたとたん、MRIだったかCTスキャンだったか、すぐにマシンに服を着たまま横になって検査。
fanta自身も興奮状態だったから、ここら辺、あまり覚えていないんだけど、すぐにフィルムが出来上がって、診察室へ。
診察室には若い男性医師。30才ぐらいか? fantaと一緒にフィルムを見ながら、
「確かに手術してますね。手術以外は特に問題ないみたいですね」ってな会話。
手術の個所は、この医師よりfantaのほうが詳しい。ハッキリ写ってはいないが、人工の骨は折れてはいないみたいだ。
fantaの人工の骨は、普通の人のとがった頸椎(首のところ普通の人はとがっているでしょ)とは違って、1本1本が横に真っ直ぐ縦に5本並んでる。
「これがバンバーの役目をしたのかもしれませんね」ってなことを医師が言う。
『そうかもしれないな・・』などと思ってると、fantaの足元にポトリとレーズンみたいな黒いモノが落ちた。医師とfantaの間、病院のスリッパを履いているfantaの左右の足の間だ。
「これ何ですか?」とfanta。
「ゴミじゃないですか?」と医師。
身をかがめて、そのレーズンみたいなモノを触ってみた。触った感触は、縮みあがった金玉のちょっとゴワゴワした人肌のような感じ・・・。
触って3秒ぐらいしてからか? そのレーズンから角が突き出して、ナメクジのように動き出すではないの!?
「ヒルだ!」と半ば叫んで、『このヒルはfantaの身体から落ちてきたのは間違いない!』と思い、「先生!すいません!ちょっと全部脱ぎますから、身体にヒルが付いてないかどうか見てください!」とすぐに脱ぎ始めた。
森林公園で露出の後なんで、『あっ!パンツ履いてないや』と思ったが、ヒルが身体についていたらたまらん。
「パンツ履いてませんので・・」と言って、上下脱いだ。
タマの裏とか、ケツの間とかも見てもらう。「大丈夫ですよ」と医師。
それまで、若い看護婦さんが居たことに気付かなかったが、その若い看護婦さんが、「靴下も脱いだ方がいいんじゃないですか?」と言う。
『そりゃそうだ』と思い、左の靴下を脱いだ・・・。
足先から踵にかけて、黒いモノがビッシリと・・・。
「うわぁーーーー!!」っと、これでもかという叫び声あげましたよ。
慌てて足を思いっきり振って、2,3匹のヒルが、診察室のどっかに飛んでった。
何事か!?と、別室で待機していた救急隊員3人も診察室に入って来た。
当然、右足の靴下も脱がなきゃいけないね。左足にヒルを残したまま、右足の靴下も脱いだ。
右足には、黒いヒルがペッタリと4匹ぐらいいました。足からは血も出ていて、ヒルの黒と血の赤で両足染まってる。
右足の時は、叫ばず、ボーゼンとして、「こりゃ、ホラー映画だな・・」と宙を見てつぶやきました。
確か医師が、「どうしたらいいんだ?」ってなことを言ったと思う。
fantaは素っ裸で、「某国では確か、何とかの葉っぱをつければいいんです」ってなことを言う。
医師は、「何とかの葉っぱなんて無いから・・」と言うと、救急隊員が、「塩だ!塩!」と言う。
若い看護婦さんが気丈にも、塩水の入ったビニール袋を持って、ピンセットで、fantaの両足のヒルを1匹1匹と、診察室に飛んだ数匹を摘まんでビニール袋へ。1匹なんてfantaの血で丸々と太って、大きめの百円ライターぐらいの大きさになってたね。全部で8匹以上だと思います。
笑えるのは、診察室に散らばった、数匹のヒルが全部、医師の方に向かって行っていたこと。
「**さん!一体これはどこで??」と医師が訊くので、「いやあ、公園ですよ、あそこの・・」とfanta。
「公園って・・、こんなの子供が遊ぶ公園で・・?」と医師。
「蚊と同じですよ。人の匂いで寄ってくるんです」(正確には動物の吐く二酸化炭素)とfanta。
「初めて見ましたよ」と医師。
「分からなかったんですか?」と医師。すると救急隊員が、「分からない。麻酔作用があるから」ってなことを言う。
fantaのヒルは、お陰様で全部とれたけど、足は血だらけです。診察室の洗面台で素っ裸のまま足洗い。看護婦さんにバンソコウ付けてもらった。「靴下捨てちゃってください」と言いました。
まあ、『怖かった』ってのは、この一連のホラー的な展開のことなんですけど、思いもよらず、男4人と女1人の前でfantaだけ素っ裸という露出体験もしたという、ホラー映画にありがちな、安っぽい色気(?)もあったというオチですかね?
ああ、最初にfantaの目の前にポタリと落ちたヒルは、fantaの右手に付いていたヤツ。後から右手、血が出てましたから。気がつかなかったんですよ。ヒルの麻酔作用といろいろあって。
この話ね、本当にゾーっとするのは、もしfantaの車が追突されずに、そのままうちに帰ってたら、fantaは、うちの中でも靴下ですから、寝るまで靴下履きっぱなしで、ベッドに上がって、寝る前にひとりで靴下を脱ぐ・・・。その時の自分を想像すると本当に恐ろしい。
あとで、調べましたよ。あの地域はヤマビルで社会問題になってるところ。住宅の庭に出るらしいです。
写真はイメージです。本文と関係ありません。
| HOME |